「ブッダ・ボーイ」の異名取る宗教指導者、性的暴行容疑で逮捕 ネパール
(CNN) ネパールの警察が物議を醸す宗教指導者を性的暴行容疑で逮捕したことが11日までに分かった。容疑者の支持者らは、この人物が仏陀(ぶっだ)の生まれ変わりだと信じている。
9日に逮捕されたラム・バハドゥール・バムジョン容疑者は、地元メディアから「ブッダ・ボーイ」と呼ばれる。警察の声明によると、「未成年者に対する性的搾取の事件」から逃亡中だったという。
逮捕状は2020年に出されていた。被害者の未成年の少女は、首都カトマンズの南郊にある容疑者の僧院で尼僧として生活していたとされる。
CNNは容疑者からコメントを取ることができない。容疑者に弁護士が付いているかどうかも確定できない。
内部情報から34歳の容疑者を逮捕した警察は、容疑者の自宅から携帯電話十数台とノートパソコン及びタブレット端末5台、国内外の通貨20万ドル(約2900万円)相当以上を合わせて押収した。
容疑者が国際的な注目を集めたのは15歳だった05年。当時の地元メディアによれば、10カ月にわたりジャングルで祈り続けたとされる。信者たちの主張によると容疑者はこの間、食べ物や水を口にせず、睡眠も取らなかったという。
これらの主張が独自に実証されたことはないが、容疑者は一部で仏陀の生まれ変わりと見なされるようになった。
本人の名声は高まり、ネパール全土や隣国インドから数千人がジャングルにいる容疑者を見に訪れた。
しかし近年では本人の違法行為の疑惑が浮上し、19年には信者4人の失踪に絡んで僧院が捜索を受けるなどしていた。
警察は10日、失踪した信者に関する捜査を現在も行っていると発表した。
性的暴行疑惑については、18年に当該の尼僧が公に告発。未成年だったときに僧院の1つでレイプされたと主張した。
当時僧院を運営する組織の関係者は、会見を開いて疑惑を否定。「完全なでっち上げ」だと一蹴していた。