南ア、イスラエルの「ジェノサイド」を非難 国際司法裁判所で審理
(CNN) パレスチナ自治区ガザでジェノサイド(集団殺害)を行っているとして南アフリカが先月イスラエルを国際司法裁判所(ICJ)に提訴した訴訟の審理が11日始まった。南アはイスラエルのガザでの行為はジェノサイド行為のパターンを示しており、正当化できないと主張した。
また、一刻も早いイスラエル軍による戦闘行為の停止や、パレスチナの人々への食料や水、医療などの提供を求めた。
イスラエルの弁論は12日に予定されている。
南アの弁護団は「イスラエルの行為はジェノサイド行為のパターン」を示していると指摘。ICJに提出した84ページにわたる文書の中で、イスラエルがガザのパレスチナ人を殺害したり、深刻な害を心身に与えたりして「パレスチナの人々の身体的破壊をもたらすように計算された」状況を作り出すことでジェノサイドを行っていると主張した。
加えて、イスラエルの政治指導者や軍のトップ、公職者らが明確な言葉でジェノサイドの意図を宣言したと指摘し、こうした言葉がガザで戦うイスラエル軍の兵士らによって繰り返されているとした。
また陳述の冒頭では、1948年以来、パレスチナ民族はイスラエルに組織的かつ強制的に土地を奪われてきた、などとこれまでの経緯にも言及した。
こうした主張に対し、イスラエル外務省のハイアット報道官は「われわれは今日、一連のうそと根拠のない主張による、史上最大の偽善を目の当たりにした」などとX(旧ツイッター)で反論。また、南アは「イスラム組織ハマスの法的代理人」になっており、ハマスが昨年10月7日に行った虐殺を無視している、とも主張した。