ガザで交戦開始後に誕生の新生児約2万人、環境は劣悪 国連
(CNN) 国連児童基金(ユニセフ)は21日までに、パレスチナ自治区ガザ地区で軍事衝突が始まった昨年10月7日以降、同地区で生まれた新生児は約2万人としながらも、母子は支援物資が絶望的に不足し、イスラエル軍の広範な爆撃が続く過酷な環境にさらされていると報告した。
麻酔なしで帝王切開を行う事例にも言及。手術から数時間後に病院からの退院を強いられる場合も一部あると指摘した。
出血多量で命を落とす妊婦もいるとし、複数の女性は医療従事者の仕事量が過多なため新生児を産むことができない事態に追い込まれたとも述べた。
ユニセフのイングラム報道官は、出産して母になることは本来祝うべき事柄だが、ガザでは「地獄の中へ新生児を送り出すようなものだ」とも嘆いた。同報道官の発言は、最近訪れたガザ南部での見聞などを踏まえたものとなっている。
報道官は患者の過剰収容や治療態勢の逼迫(ひっぱく)化に襲われるエミラティ病院の窮状にも触れ、職員は「帝王切開後の3時間内」に母親を退院させることを強いられていると主張。「信じられない状況であり、これを止めるための対応策が即座に必要」と訴えた。