武装集団がパキスタン人9人を殺害 イラン国境地帯
(CNN) イラン南東部のパキスタンとの国境付近で、パキスタン人労働者9人が武装集団に殺害された。パキスタン当局者が明らかにした。イランとパキスタンはこの1週間ほど前に、互いの領土に対する軍事攻撃を行っていた。
イラン政府系のメヘル通信によると、今回の事件は同国南東部のサラバンで発生した。犯行声明は出されていない。
駐イラン・パキスタン大使は「サラバンでパキスタン人9人が殺害された恐ろしい事件に衝撃を受けている」とSNSに書き込み、「大使館は犠牲者の家族を全面的に支える」と表明。「(イランに対して)本件に関する全面的な協力を要請した」とした。
パキスタン外務省は声明を発表し、「恐ろしい、卑劣な事件」として襲撃を非難。「イラン政府と連絡を取り、本件に関する捜査とこの卑劣な犯罪に関与した者の責任を問う必要性を強調した」と述べている。
イラン外務省も27日、この襲撃を「強く非難する」とSNSのテレグラムに投稿した。
その上で、事件についてはイランの当局が捜査していると述べ、イランとパキスタンは「敵が両国の友好関係を傷つけることを許さない」と強調した。
パキスタンとイランはこの1週間ほど前に、互いの領土内で武装勢力に対する報復攻撃を行い、両国間の緊張が高まっていた。
両国は長年にわたり、国境をはさんで武装集団との戦闘を続けている。
今回の攻撃の後、両国は緊張緩和を目指して外相が電話会談を行い、パキスタン側は「緊密な兄弟関係」を強調した。