ロシアとウクライナ、大規模な捕虜交換 軍輸送機墜落後初
(CNN) ロシアとウクライナは1月31日、捕虜を交換したと発表した。同24日に捕虜のウクライナ兵士を乗せたロシア軍輸送機がウクライナに撃墜されたとロシアが発表してから初の捕虜交換となる。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、兵士207人が帰国したと明らかにした。一方、ロシア国防省は兵士195人が空路モスクワに移送され、治療とリハビリを受けると発表した。
ゼレンスキー氏は、207人のうち約半分はロシアのウクライナ侵攻後間もなくロシア軍に包囲されたウクライナ南部のマリウポリで防衛にあたった兵士だと説明した。
ロシアによる侵攻が始まって約2年となるが、ゼレンスキー氏によると、これまでに50回の捕虜交換が行われ、ウクライナに帰国した兵士は3035人にのぼるという。「捕虜となった兵士全員を帰国させるために全力を尽くす」としている。
今回の捕虜交換は、1月24日にロシア軍の大型輸送機「IL(イリューシン)76」がウクライナと国境を接するロシア西部ベルゴロド州に墜落してから初めて。この事故をめぐっては、ロシアは同機が捕虜のウクライナ兵65人を輸送中で、全員死亡したと主張。一方、ウクライナは同機はウクライナを攻撃するのに使われるミサイルを運んでいたと指摘し、主張は大きく食い違っている。
両国とも捕虜交換が予定されていたことは認めている。ウクライナ国防省情報総局のユーソフ報道官はCNNに、墜落現場から近くの安置所に運ばれた遺体は5体のみであることを示す情報があると明らかにし、その数は輸送機の乗員数と一致すると指摘した。
ロシアはウクライナ兵士が死亡したとの主張を裏付ける映像などの視認できる証拠を示していない。