人質2人救出のイスラエル軍、ラファ空爆でパレスチナ人約100人を殺害
ラファにあるアブユセフナジャール病院の病院長によると、ラファの医療施設は「イスラエル占領軍の爆撃のため、大量の負傷者に対応できない」状況にある。
CNNが入手した映像には、混乱状態に陥ったラファのクウェート病院の様子が映っている。動かなくなった子どもを蘇生させようとするスタッフや、負傷した男性を病院の床で治療する医師。白い布にくるまれた子どもの遺体を抱きしめて打ちのめされた様子の女性。
別の映像では女の子が涙をぬぐいながら空爆の様子を振り返っていた。「私はトイレへ行こうとしていて、空爆は続いていた。突然、家が火事になった」「トイレに行くと、全ての壁が私の上に崩れ落ちてきた」
ラファ市は12日、少なくとも二つのモスク(イスラム教礼拝所)と10数棟の住宅が攻撃されたと伝えた。
今回の爆撃の激しさは、イスラエル軍がラファに対する地上作戦の準備に取りかかっているのかもしれないという憶測を浮上させた。ただ、イスラエル国防軍の声明では、攻撃は完了したとしている。
米国務省報道官は12日、今回の攻撃について、ラファに対する「全面攻撃の開始」とはみなしていないと説明した。
イスラエルのラファ侵攻に対し、国際社会は懸念を強めている。イスラエルの空爆や地上作戦を逃れてガザ南部へ逃れたパレスチナ人にとって、ラファは最後の避難場所となっている。国連によると、ラファにはガザの各地から避難してきた人を中心に、130万人以上が集中していると思われる。食料や水、医薬品、避難所などの不足も深刻化している。