「イスラエル軍がパレスチナ人女性の人権侵害」、国連が調査要請 殺害や強姦の情報も
(CNN) 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は19日、イスラエル軍がパレスチナ人女性の人権を甚だしく侵害しているとの信ぴょう性が高い情報があるとして、調査を要請した。
人権侵害行為には超法規的殺害や恣意(しい)的な拘束、品位を傷付ける処遇、強姦(ごうかん)と性暴力が含まれている。OHCHRは実情をどのように把握したかを説明しなかったが、イスラエル兵が拘束下の女性を撮影してネット上に流したとされる画像を例に挙げた。
OHCHRの声明によると、昨年10月にイスラム組織ハマスがイスラエルに奇襲攻撃を仕掛けてから、未成年を含むパレスチナ人女性が何百人も恣意的に拘束された。
多くの女性は生理用品や食料、医薬品を与えられず、ひどい暴力などの非人道的な扱いを受けたことが報告されている。パレスチナ自治区ガザ地区で拘束された女性たちが雨と寒さの中、食事も与えられずにおりの中に閉じ込められたという例もある。
国連の専門家らがパレスチナの女性に対する「複数の形態の性的暴行」の報告を受けたことをあきらかにした/Fabrice Coffrini/AFP/Getty Images/File
イスラエル軍の男性将校らに裸にされて身体検査を強要されるなど、さまざまな性的暴行も報告されている。少なくとも2人の女性が強姦され、ほかにも強姦や性暴力の脅しを受けた女性たちがいるという。
イスラエル軍はCNNへの声明で疑惑を否定し、「各事例の正確な詳細や証拠がなければ、詳しく調べることは不可能だ」と述べた。
イスラエルの国連代表部も、OHCHRによる「卑劣で根拠のない主張」だと批判。当局に人権侵害の情報は入っていないと述べ、軍による不祥事の具体的な情報に信ぴょう性と証拠があれば、いつでも調査するとの姿勢を強調した。
イスラエルはさらに、国連がハマスによるイスラエル人女性への性暴力については沈黙を続けていると非難した。