ガザ停戦巡るバイデン氏の楽観論、イスラエルとハマスは同調せず
(CNN) イスラエルとイスラム組織ハマス、カタールの当局者らは、パレスチナ自治区ガザ地区の紛争を巡る米国のバイデン大統領の楽観的な見方に警鐘を鳴らした。バイデン氏は人質解放と停戦のための取り決めが来月4日までに合意に達する可能性があると述べているが、当局者らによれば交渉の当事者らの間には見解の相違がなお見られるという。
バイデン氏は26日、ニューヨーク市内のアイスクリーム店にコメディアンのセス・マイヤーズ氏と訪れた際、停戦について質問を受け、来月4日までの実現を期待すると述べた。ガザでのこれまでの死者数は3万人に迫っている。
しかしイスラエルのある当局者は27日、CNNの取材に答え、バイデン氏が明確な期日に言及したこと、停戦という語を使用したことにイスラエルは驚いていると明らかにした。
「何を根拠にした発言なのか分からない」と、この当局者は述べた。機微な問題のため匿名で取材に応じたこの当局者によれば、イスラエルは正当な条件の下でなら取引する用意があるという。
「条件が満たされれば、イスラエルは今日にでも(パレスチナ人の)囚人釈放の準備を整えるだろう」(同当局者)
ハマス政治部門のメンバー、バセム・ナイム氏は27日、CNNの取材に対し、ハマスとしてはいかなる停戦合意も来月4日までに調停できるとは認識していないと指摘。そのような合意は「皆無だ」と強調した。
米国と並んでイスラエルとハマスによる交渉の重要な仲介役を務めるカタールも27日、警告を与えると同時にバイデン氏が言及したものとは異なる日程を示唆した。
カタール外務省の報道官は、「現時点で合意には至っておらず、依然あらゆる面で交渉に取り組んでいる」とした上で、イスラム教のラマダン(断食月)が始まる来月10~11日の前には人道的な停戦を発表できればいいと述べた。これが実現すれば緊張は緩和し、ガザにより多くの支援物資を届けられるだろうとした。
報道官は交渉で残る対立点について、「数と割合、軍の移動」を挙げたが、詳細は明らかにしなかった。パレスチナ人の囚人と引き替えに解放する人質の人数、そしてガザからのイスラエル軍兵士の部分的な撤退に言及したとみられる。