支援国約束の兵器、「半分は予定通り届かず」 ウクライナ国防相
(CNN) ウクライナのウメロウ国防相は29日までに、支援国が約束した兵器の供与について半分が予定の時期に引き渡されていないとし、それだけ戦場で損失を被る結果になっているとの見解を示した。
首都キーウでの会議で述べた。「時間通りに届かなければ、将兵や領土を失う」と主張。「この戦争は支援国が予定通りの時期に兵器を提供することをあてにしている戦争である」と強調した。
兵器供与の遅延については「状況が常に動き、変化している」ことが要因とも続けた。
ウクライナへの軍事支援をめぐっては、米国の新たな援助が議会上院で通過したものの野党・共和党が制する下院での調整が行き詰まり、打ち出せないでいる。欧州連合(EU)は以前に約束した弾薬供給の増加分を提供できない状態にある。
ウクライナのカムイシン戦略産業相は同じ会議で、これら米欧の手詰まりを受け自国の国防産業の能力を強化させることで供給不足を埋めることを目指すとの考えを表明。生産能力は昨年、3倍に膨らんだとも説明した。
ただ、戦場では国内での製造分よりはるかに多い量が必要となっている現実に言及。「前線が欲している量は米国やEUの生産量の合計分よりも多い」とも訴えた。
一方、ウクライナのシュミハリ首相は日までに、米国から今年期待する援助は118億ドル(約1兆7700億円)相当であることを明らかにした。政権幹部らを集めた政府主催の会合で述べた。
この数字は両国の合意に基づくとし、ウクライナ国家予算の不均衡を正すのに寄与するだろうとも期待。米国は財政支援や軍事援助でウクライナを見捨てないと強く確信しているともした。
財政、軍事両面での米国の手助けには非常に大きく頼っているとし、「米議会が決定を下すことを待っている」とも締めくくった。