ガザのモスクも大半が破壊、ラマダン入りも祈りの場乏しく
(CNN) イスラム教徒の特別な行事であるラマダン(断食月)に最近入ったパレスチナ自治区ガザ地区の当局は14日までに、昨年10月7日の戦闘開始以降、部分的な損壊あるいは完全な破壊を受けたモスク(イスラム礼拝所)は域内にある1200堂のうち少なくとも1000堂に達すると報告した。
宗教問題などを担当する省庁がCNNの取材に述べた。イスラエルの攻撃で殺されたイスラム教の導師らは100人以上と説明。宗教学者や祈りの時間を告げる役目の者やイスラム教の聖典「コーラン」の暗誦(あんしょう)ができる聖職者らも含まれる。
CNNの取材に応じた住民によると、毎夜の祈りをささげる場所の手当ても従来の建物が破壊されたため十分にできていない。ラマダン時の毎夜の祈りは宗徒が集まって行うのが通例ともなっている。
人道危機で水の確保もままならない状況にあるため、祈りの前に義務づけられている体を清める儀式も難しくなっている。
ラマダン中の許された時間帯に親族が集って一緒に食事をする慣例もできないでいる。戦闘の影響で居場所を失い、家族などが切り離されたためだ。
ガザ最南部に逃れた医療従事者のムハンマド・ハムーダさんはCNNの取材に、ラマダンに入っても伝統的なパレスチナ料理を出して祝うことができず、贈り物のやりとりもない理由を子どもに説明することに苦労していると説明。
「イスラエルのドローン(無人機)の飛行音なしに、祈りの開始を告知する言葉を最後に聞いたのがいつかも思い出せない」と続けた。