パレスチナ人数千人、ガザ北部に戻れず イスラエル兵が銃撃
オマル・アルダフドゥ君という少年は、小麦粉の袋を肩にかつぎ、幼いきょうだいの手を引いて泣きながら歩いていた。
「家に帰るんだ。もう6カ月も避難している。僕たちは家が攻撃されたからテントで暮らしている」とアルダフドゥ君は言い、「僕は怖くない。もし死ななければならないのなら、死ぬ。でももうこんな生活はしたくない。僕は疲れた。僕のきょうだいたちは生きなければならない」と続けた。
アフマド・ラマダンさんは、北部へ行こうとしたものの、自分は男性だという理由でイスラエル兵に阻止されたと証言した。
ウム・アウィニ・アルジャロウシャさんは「ガザ市への道路が開通したと聞いたので、行こうと思った。彼らは男性の姿を見ると、私たちを銃撃し始めた」と訴える。
引き返して南へと向かう人々を映した映像では、上空を飛行するドローンや航空機の音が聞こえる。遠方にミサイルが見え、パニックに陥った人々が逃げ惑っていた。
「はるばる検問所までたどり着いたところでイスラエルの戦車が見えた。彼らが私たちに銃撃してきたので引き返した。向こう側へ行けた人は誰も見えなかった。子どもたちの命を危険にさらして越境しようとしたけれど、どうやら全部うそだったらしい」と1人の女性は肩を落とした。
銃で撃たれたと思われる人々の映像もあった。1人の男性は、頭にけがを負い、血が顔を伝って流れる別の男性を運んでいた。
別の男性に抱きかかえられた5歳のサリーさんは、頭から出血していた。この女の子の母親は、自分が抱いていた娘がイスラエル兵に銃撃されたと訴えている。
親子は何とか病院にたどり着いた。CNNに提供された映像の中で、痛みに泣き叫ぶサリーさんは、頭と腕に傷を負って血まみれになりながら、2人の医師に手当てを受けていた。