パレスチナ救済の国連機関が本部閉鎖、「イスラエル過激派が放火」と事務局長
(CNN) 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長は9日、東エルサレムにあるUNRWA本部の建物が、中に職員がいる状態で「イスラエルの過激派」に放火されたと伝えた。安全が確保できるまで同施設は閉鎖するとしている。
ラザリーニ氏がX(旧ツイッター)に投稿した声明によると、UNRWAの職員は過去2カ月にわたってイスラエル人による脅迫や嫌がらせ、暴行などの被害に遭っていたという。
「今夜、イスラエル人の住民が、占領地の東エルサレムにあるUNRWA本部の周りに2度にわたって火を付けた」とラザリーニ氏は述べ、「またしても国連職員の生命が危険にさらされた」と訴えた。
同氏が投稿した動画には、外で人々が叫び声を上げる中、火を消し止めようとする職員の姿が映っている。群集は武装した男たちを伴い、外で見物しながら「国連を焼き払え」と叫んでいたという。
イスラエルのテレグラムにも9日、UNRWA本部で起きた火災の映像が投稿された。
ラザリーニ氏によると、この火災で建物の屋外エリアは激しく損傷した。国連職員にけがはなかった。
国連高官がイスラエルのガザ地区に対する戦争行為を強く非難する中で、イスラエルと国連の関係は最悪になっている。
イスラエルは、UNRWAの職員少なくとも12人が昨年10月7日のテロ攻撃に関与したと主張。これに対してUNRWAは、イスラエルが職員を拘束して拷問し、UNRWAとイスラム組織ハマスの関係に関する虚偽の自白を強要したと訴えた。
ラザリーニ氏は、イスラエルには国連職員の安全を守る責任があると強調している。