鉄砲水と溶岩流で37人死亡 インドネシア・スマトラ島
(CNN) インドネシア・スマトラ島で大雨による鉄砲水と活火山からの火山泥流が発生し、少なくとも37人が死亡、10人以上が負傷した。捜索救助当局が12日、明らかにした。
火山泥流は、雨天の際に火山の斜面を流れ落ちる火山灰や砂、小石などの堆積(たいせき)物が混ざったものだ。
インドネシアの災害対応機関が公開した画像には、スマトラ島西部にあるマラピ山のふもと付近の道路や山腹の村を部分的に覆う厚い泥と灰が写っている。
同機関によると、84棟の住宅と16本の橋が火山泥流により被災した。アガム県を含む四つの地区では洪水が報告されており、豪雨で100棟以上の家屋や建物が水没し、住人が流された。
同機関の広報官は声明で、この豪雨と火山泥流で少なくとも37人が死亡したと明らかにした。35人の遺体の身元は特定され、大半はアガム県の住民だという。
被災地の上空からの様子=インドネシア西スマトラ州タナダタール/Adi Prima/Anadolu/Getty Images
環太平洋火山帯に位置するインドネシアには127の活火山があり、標高2891メートルのマラピ山はその中で最も活発な火山の一つだ。
マラピ山は21世紀初めに11回噴火し、1979年には1回の噴火により60人が死亡した。2023年12月の噴火では23人の登山者が死亡。3000メートルの高さまで噴き上げられた火山灰は周辺の町全体、道路、車を覆った。
マラピ山は今年1月にも噴火し、インドネシア政府当局は噴火口から半径4.5キロ以内に立ち入らないよう住民や観光客に警告した。