インドネシア大統領選、プラボウォ氏が勝利宣言 国軍時代に強権

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インドネシアのプラボウォ国防相=1月27日、インドネシア・ジャカルタ/Dimas Ardian/Bloomberg/Getty Images

インドネシアのプラボウォ国防相=1月27日、インドネシア・ジャカルタ/Dimas Ardian/Bloomberg/Getty Images

(CNN) 14日に投票が行われたインドネシア大統領選で、物議を醸した過去を持つプラボウォ国防相が勝利宣言した。

国営アンタラ通信や現地のCNN提携局、ロイター通信が非公式の集計結果として伝えたところによると、プラボウォ氏は60%近い票を獲得し、決選投票回避に必要な票を上回った。各メディアの報道は民間シンクタンクによる初期集計を報じたもの。

選挙前に最有力候補と目されていたプラボウォ氏は首都ジャカルタで支持者に対し、副大統領候補のギブラン氏と共に「すべてのインドネシア国民のための」統治を行うと表明した。ギブラン氏はジョコ現大統領の長男。

プラボウォ氏は「感謝はしているが、傲慢(ごうまん)になったり、勝利に酔ったりしてはならない。すべてのインドネシア国民のための勝利にする必要がある」と宣言。「私はギブラン氏と力を合わせ、部族や民族、人種、宗教、社会的背景とは関係なく全インドネシア国民を育て、守り、防衛するために国を率いる。インドネシア国民を守るのが我々の責任だ」と述べた。

非公式の初期集計によると、高い人気を誇るアニス前ジャカルタ特別州知事は得票率22%未満で2位、ガンジャル前中部ジャワ州知事は3位だった。

アニス、ガンジャル両氏のチームは初期結果に異を唱え、結果確定は時期尚早だとしている。ロイター通信が党広報担当者の話として伝えた。

CNNは初期結果について独自に検証できていないが、有力シンクタンクの集計は過去の選挙でも正確だった。

プラボウォ氏は名門政治一家の出身で、とくに独裁者だった故スハルト氏の政権で物議を醸した過去を持つ。政治家としてのキャリアには国軍時代の人権侵害の批判が付いて回る。

プラボウォ氏の父親は金融や貿易担当の閣僚を務めた人物。祖父は国営銀行のバンク・ネガラ・インドネシアを創設し、大統領諮問委員会を率いた。

プラボウォ氏本人は1970年にインドネシアの軍事アカデミーに入学。特殊部隊の指揮官になり、24年間に及んだ過酷な東ティモールの軍事占領中、独立派に対する任務を主導した。

スハルト政権期末期に民主活動家の拉致を命じたとの情報もある。

その後、プラボウォ氏はインドネシアの活力ある民主主義を支持する路線に転換し、最近では「親しみやすいが頼りになるおじいさん」とのイメージを構築。ここ10年間は政界の有力者になっている。

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