「外国の代理人」法案採決へ、数万人が抗議 ジョージア
なぜこれほど物議を醸しているのか
理由はいくつかある。法案は、ロシア大統領府が反対派や市民社会の弾圧強化に利用してきた法律をモデルにしている。多くのジョージア国民は、同法案がロシアと同じように利用されることで外国と資金面でつながりのある非政府組織が追及され、反対意見や表現の自由が封じ込められることを恐れている。
与党ジョージアの夢は、この法案は透明性と国家主権を強化するものだとし、同法案に対する欧米の批判に反論している。
しかし、この法案はジョージアの未来が欧州とロシアのどちらとともにあるかという、より本質的な問題に関係している。
ジョージアは1991年に旧ソ連から独立して以来、ウクライナと同様、二つの地政学的勢力に挟まれている。
多くのジョージア国民は、2008年にジョージアに侵攻し、国際的に承認されている領土の約20%(ロシアがウクライナで占領しているのとほぼ同じ割合)を占領しているロシアに深い敵意を持っている。
与党ジョージアの夢は、特にイバニシビリ氏が旧ソ連で財を成したことから、親ロシア的な感情を抱いていると長い間非難されてきた。
ジョージア国民の反応
一時は議員たちが法案をめぐって乱闘になるほど強い思いを持っている。
世論調査によると、ジョージア国民の約80%はこれ以上ロシアに近寄るのではなくEUに加盟することを支持している。約100万人が住むトビリシではこの法案に反対する大規模なデモが1カ月にわたり毎晩行われ、12日夜には約5万人が「ロシア法」と呼ぶこの法案に反対の声を上げた。
抗議への反対デモも行われており、イバニシビリ氏が、与党ジョージアの夢がより多くの支持を集める農村地域からトビリシにバスでやってきた支持者らを前に演説を行う場面もあった。