イスラエル首相、ラファ空爆は「悲劇的な過ち」
パレスチナ自治区ガザ地区ラファ/エルサレム(CNN) イスラエルのネタニヤフ首相は27日、パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファの難民キャンプに対する空爆で多数の死者が出たことについて、「悲劇的な過ち」と述べた。
ネタニヤフ氏は国会での演説で、「関係ない人々に危害を加えないよう最大限の努力を行ったにもかかわらず、残念ながら昨夜、悲劇的な過ちが起きた」と述べた。今回の事案については調査が行われているという。
ガザの保健省などによれば、空爆の後に火災が発生し、少なくとも45人が死亡したほか、200人余りが負傷した。犠牲者の多くは女性や子どもだった。保健省によれば、これだけの犠牲者を受け入れられる病院はラファにはなかった。
CNNが入手した映像には、難民キャンプが炎に包まれる中、大勢の男女や子どもたちが夜間の攻撃から身を守ろうと必死になっている様子が捉えられている。子どもを含む焼けた遺体ががれきの中から救急隊によって引っ張り出される様子も映っていた。
イスラム組織ハマスは26日、数カ月ぶりにイスラエル・テルアビブに対してロケット弾を発射していた。イスラエル軍によれば、ラファから8発のロケット弾が発射され「複数の飛翔(ひしょう)体」を迎撃した。
イスラエル軍は27日、声明で、ラファにあるハマスの重要なテロリストが運営していた施設を空爆したと説明。空爆と火災によって民間人に被害が出たとの報告も認識しているとした。
今回の事案は、イスラエル軍がラファで軍事作戦を開始した今月7日以降で、最も犠牲者が出た空爆のひとつとなった。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリーニ事務局長はX(旧ツイッター)への投稿で、仮設のテントで生活していた子どもや女性が死亡したと指摘。「昨夜の映像は、ラファがいかにこの世の地獄となったのかを物語っている」と述べた。
国連のグテーレス事務総長も空爆を非難し、「ガザに安全な場所はない。この恐怖は止めなければならない」とXに投稿した。