ブラジルの駐イスラエル大使が離任 関係悪化で後任なし
(CNN) イスラエルと関係が悪化しているブラジルは29日、駐イスラエルのメイヤー大使の転任を発表した。官報によると、メイヤー氏はスイス・ジュネーブにある国連やその他の国際機関のブラジル政府代表部に加わる。
発表では、後任のイスラエル大使への言及はない。
イスラエル外務省はメイヤー氏の離任についてブラジル政府から「正式通知」を受けていないとCNNに明らかにした。だが、「報道を受け」ブラジル側の代表を外務省に呼び、30日に会合を持つとしている。
2国の関係は2月以来、悪化している。ブラジルのルラ大統領が、パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラエル軍の作戦をホロコースト(ユダヤ人大虐殺)になぞらえたことを受けて、イスラエルのカッツ外相はルラ氏を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定。ブラジルはこの措置に反発し、メイヤー氏を本国に召還した。
メイヤー氏は最近、イスラエル・テルアビブに戻っていた。
ルラ氏は2月に開かれたアフリカ連合(AU)首脳会合での演説で、ガザ地区のパレスチナ人が経験しているのは「ナチス・ドイツのヒトラーがユダヤ人殺害を決めた時に起きた」ことだと述べた。
この発言を受けてカッツ氏は当時、ルラ氏が謝罪し、発言を撤回するまでは、イスラエルでは歓迎されないと述べ、事実上入国を禁止する意向を示していた。
ルラ氏はこの発言以外にもイスラエルのガザでの作戦に反対の意思表示をしている。