ウクライナの前線の多くは現在、自爆攻撃ドローンに圧倒されている。小型で精密な装置で、群れを成して歩兵を襲撃し、戦車に重大な損害を与えることもできる。兵士がゲーム用のゴーグルを装着して操縦する、いわゆる一人称視点(FPV)ドローンは戦争の性質を変えた。装甲車両は動きが制限され、新たな脆弱(ぜいじゃく)性が露呈した。
ウクライナの乗員らは、ロシアが2月に制圧したアウジーイウカ周辺での激戦でエイブラムス戦車の限界を身をもって学んだ。装甲が貫通し、操縦士が片足を失ったのだ。
一方で戦車は技術的な問題も抱えているようだ。
乗員によると、CNNが目撃したエイブラムス戦車はポーランドから到着したばかりにもかかわらず、CNNの訪問中、エンジンのトラブルでほとんど動かなかった。さらに雨や霧の中では結露で車内の電子機器が壊れることもあるという。
ウクライナの他の前線と同様、弾薬も問題だ。乗員らは自分たちが従事している戦闘に適さない種類の弾薬を持っているようだと話す。
「我々が持っているのは、戦車同士の直接戦闘に適したものだが、こうした事態はめったに起こらない」「砲兵として戦闘に加わるほうがはるかに多い。木々や建物を破壊しなければならない。家に17発撃ってもまだ倒壊しなかったこともある」