インド総選挙を襲った異常な猛暑 投票所職員ら77人死亡
ニューデリー(CNN) 全土で6週間にわたって総選挙の投票が行われたインドで、異常な猛暑のために過去10日間で投票所の職員など少なくとも77人が死亡した。
首都ニューデリーでは5月28日にインド観測史上最高の49.9度を記録していた。
人口が最も多いウッタルプラデシュ州の選管当局は6月2日、州内の投票所職員少なくとも33人が1日で死亡したと記者団に語った。
ニューデリー市内の投票所には給水機やミスト設備、日陰などが設けられていたものの、投票最終日前日の1日は異常に静かだった。危険を冒してまで投票する必要はないという有権者もいた。
一方、猛暑の中で行列に並んだ住民は、投票について「共和国や民主国家の市民にとって基本的な権利であり、最も重要な義務。どんな天候であれ出かけるべき」と強調した。
これから本格的な夏を迎え、気温はさらに上がる見通し。
人口14億を超すインドの有権者は約9億6900万人。北米と欧州連合(EU)の人口合計を上回る。選管の3日の発表によると、過去最多の約6億4200万人が投票を済ませた。
4月19日から始まった投票は6月2日が最終日だった。結果は4日に発表される見通しで、モディ首相の3期目続投は確実とみられている。
約1500万人の投票所職員や警備員の中には、投票所にたどり着くために陸路や船、ラクダ、列車、ヘリコプターなどを使った職員もいた。
そうした中で命を落とす職員や有権者も相次いだ。東部のオディシャ州では5月31日から6月2日の間に20人あまりが熱中症のために死亡。当局者は3日、「オディシャ州はここ数日、猛暑に見舞われた。インド北部ほどの暑さではなかったが、湿度の高さも原因だった」とCNNに語った。
週末にかけて降った雨で、今後数日は暑さが和らぐ見通しだという。
地元当局者によると、デリー首都圏と東部のビハール、ジャルカンド、西部のラジャスタンの各州でも5月24日以来、24人が死亡した。
インド公務員には選挙関係の職務が義務付けられており、選挙管理委員会が投票開始前に配属を決めている。