ウクライナ最大の水力発電所、「稼働不能」な状態 ロシア攻撃で
(CNN) ウクライナ中南部ザポリージャ州のフェドロウ知事は6日までに、州内にある同国最大のドニプロ水力発電所がロシア軍の攻撃を受け、発電能力を失う「危機的状況」に陥っていると発表した。
地元テレビの取材に明かした。2日時点での被害報告だが、同水力発電所周辺の住民は退避などのため橋を渡っての移動を強いられているとも述べた。
ウクライナのエネルギー省によると、ロシア軍は今週、エネルギー関連インフラへの攻撃を繰り返しており、複数の州で緊急的な停電措置を迫られた。エネルギー基盤に被害を受けたのは、ザポリージャ、中部ドニプロペトロウスク、東部ドネツク、中部キロボフラードや西部イバーノフランキーウシクの各州。
ロシア軍によるエネルギー施設へのミサイルやドローン(無人機)を動員した大規模攻撃は今年3月22日以降で6度目になったとした。
ロシア国防省は、ロシア国内のエネルギーや輸送関連施設の破壊を狙ったウクライナ軍の攻撃への報復措置と主張した。
ウクライナでは昨年6月、南部ヘルソン州にあり主要な水力発電所ともなっていたカホウカ・ダムが決壊し、甚大な被害が発生。決壊の原因はまだ特定されていないが、多数の土木工学の専門家はダム内部で起きた爆発が最も可能性が高いとの見方を示している。
一部の西側諸国は当時、ロシア軍の関与を主張。ロシア側はこれを否定し、ウクライナ側による破壊行為と反論したが証拠は示さなかった。
ウクライナの戦況では最近、同国軍の兵器や兵員不足につけ込むロシア軍の攻勢が目立ち、5月には北東部ハルキウ州で奇襲を仕掛け、新たな戦線を切り開いていた。