シロイルカ2頭、ウクライナから救出作戦 スペインに到着
(CNN) ロシア軍の攻撃が激化しているウクライナのハルキウ市からシロイルカ2頭が救出され、スペイン・バレンシアの水族館に到着した。救出作戦はスペインや米国の専門家で構成する多国籍チームが危険を冒して展開した。
救出されたのは15歳のオスの「プロンビル」と14歳のメスの「ミランダ」。米ジョージア水族館の発表によると、「過酷な旅」を経て18日にバレンシアに到着した。
ロシアとの国境に近いウクライナ第2の都市ハルキウは、ここ数週間でロシア軍の攻撃が相次いでいる。地元当局によると、5月には商業施設が攻撃されて、12歳の少女を含む18人が死亡した。
水族館から数百メートルしか離れていない場所が砲撃されたこともあるという。
作戦開始は17日。2頭はハルキウのNEMOイルカ水族館から車で12時間かけてオデーサに運ばれ、そこからモルドバとの国境へ移動。欧州連合(EU)当局者の手配で入国手続きを急いだ。
一行はモルドバの首都キシナウで待機していたチャーター機に搭乗し、18日にバレンシアに到着した。
「イルカたちの健康と安全を最優先した。悪路や気温の上昇、戦場にいることのリスクなど、厳しい状況だった」と米シーワールドの専門家は振り返る。
2頭は医療、栄養、行動学の専門家による手当てを受けており、最初の数週間はウクライナの飼育員が付き添って新しい環境に慣れさせる。