北朝鮮の「ごみ風船」ソウルに飛来、寄生虫も検出 住民に警戒呼びかけ
ソウル(CNN) 韓国軍合同参謀本部(JCS)は、首都ソウルに隣接する京畿道北部で現地時間の24日午後9時ごろ、ごみを運んでいると推定される北朝鮮の風船が目撃されたと発表した。
首都政府はその後、住民にプッシュ通知を送信して北朝鮮の風船がソウル上空に入ったと告げた。墜落した風船に触れることは控え、目撃した場合は当局に通報するよう促している。
北朝鮮は韓国の活動家が金正恩(キムジョンウン)総書記を批判する内容のビラをまいたことに対する報告として、5月以来、1000個以上の風船を韓国へ向けて飛ばしている。
20日には韓国の活動家団体が、対北朝鮮プロパガンダのビラ数千枚と、韓国エンターテインメントのUSBメモリーを運ぶ大型風船20個を北朝鮮へ飛ばした。翌21日、金総書記の妹の金与正(キムヨジョン)氏は、「やるなとはっきり言われたことをやるからには必然的に、やる必要のないことに対応する羽目になる」と警告した。
5月下旬~6月初旬にかけて北朝鮮から飛来した風船を韓国が分析した結果、風船の土壌から「人糞(じんぷん)に由来する可能性のある」寄生虫や「人の遺伝子」が検出された。
布や紙くずなどのごみの中には、回虫や鞭虫(べんちゅう)、幼虫が混じっていた。汚染や感染症のリスクはないとしている。
風船の積み荷からはさらに、韓国バンドの衣装やディズニーのキャラクターに似せた衣装も破損した状態で見つかり、当局は「韓国の商品に対する敵対心」の表れと分析している。