北朝鮮がまたごみ風船、韓国の宣伝放送やKポップUSBに対抗
ソウル(CNN) 北朝鮮がごみをぶら下げた風船数百個を再び韓国へ向けて飛ばしている。韓国の活動家がKポップや韓国ドラマのUSBメモリーを北朝鮮へ飛ばしたことに対する対抗措置。
韓国軍合同参謀本部(JCS)の9日の発表によると、北朝鮮は8日夜以来、約330個の風船にごみの袋を取り付けて飛ばし、うち約80個が韓国に落下した。
ごみの中からは紙くずやプラスチックが見つかったが、危険物は含まれていなかったという。
CNNの集計では、5月28日以来、約1060個の風船が北朝鮮から韓国に落下した。
韓国政府は9日、緊急の国家安全保障会議を開いて対応を協議した。
朝鮮中央通信は先週、北朝鮮が15トンのごみをぶら下げた風船計3500個を韓国へ飛ばしたと伝えた。
北朝鮮のものとみられる風船がまき散らしたごみ=9日、韓国ソウル/South Korea Joint Chiefs of Staff/AP
これに対抗して韓国軍は現地時間の9日午後、北朝鮮に向けて大音響の宣伝放送を流していた。
宣伝放送は「北朝鮮の現実」や韓国の発展、韓国文化などを北朝鮮の兵士や住民に伝える内容。現在の状況の全責任は北朝鮮にあると合同参謀本部は主張し、「ごみ風船を送るなどの卑劣な行為」を即座にやめるよう要求。宣伝放送を再び流すかどうかは「北朝鮮の行動にかかっている」と強調した。
北朝鮮は先週、ごみ風船飛ばしを一時的に停止すると表明していたが、韓国の活動家が6日、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記を批判する大量のビラやKポップや韓国ドラマを収録したUSBメモリー5000個を風船に取り付けて北朝鮮へ飛ばしていた。