インド首相、8日からロシア訪問 ウクライナ侵攻後初
(CNN) インドの外務省は、モディ首相がロシアのプーチン大統領に招かれ、7月8日から2日間の日程でモスクワを訪問すると発表した。訪問はロシアがウクライナに侵攻して以降初めて。
インドはヒマラヤ地方の国境をめぐり中国との緊張が続く中、軍事装備の面でロシアに大きく依存している。一方でインドが割安なロシア産原油の購入を拡大していることは、西側から孤立するロシアにとって財政上の重要な生命線だ。
モディ氏の訪問は、プーチン氏を排除しようとしている西側諸国の指導者にとって打撃になるとみられている。
インドとロシアの関係は冷戦時代から数十年にわたって続いており、西側諸国によるロシアへの度重なる制裁にもかかわらず、強固な関係を保ってきた。インドはロシアのウクライナ侵攻について公に批判することを避けている。
モディ氏のロシア訪問は、ロシアが中国との距離を縮めていることにインドが不満を募らせている可能性がある中で確認された。中国との長年にわたるヒマラヤ地方での国境紛争の緊張がここ数年、高まっているためだ。
モディ氏が最後にプーチン氏と会談したのは2022年。モディ氏は上海協力機構(SCO)の首脳会議の傍らで行われたこの会談でプーチン氏に対し「今は戦争のときではない」と苦言を呈した。
それでもなおロシア大統領府はモディ氏とプーチン氏は強い信頼関係にあると評しており、今回の訪問を好意的に捉えている。ロシアはウクライナ侵攻に対する制裁として自国を世界から孤立させようとする西側の努力に反撃したい考えだ。
ロシア国営タス通信は2日、ペスコフ大統領報道官が「我々は、議題となっている多数の問題すべてについて意見交換が行われることを期待している」と述べたと報じている。