イスラエル、ヨルダン川西岸で最大規模の土地収用認める
(CNN) 違法な入植地拡大などを監視しているイスラエルの平和団体は6日までに、イスラエル政府がパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区で広さ約1270ヘクタール(約12.7平方キロ)の土地の収用を承認したと報告した。
パレスチナとイスラエルの平和共存を定めた1993年のオスロ合意以来、最大規模の土地接収になるという。同団体「ピースナウ」によると、西岸地区で民事問題を統括するイスラエル軍民生部が先月25日、この土地を国有地とする宣言を出した。
ただ、宣言に関する公式な通知は今月3日まで行われていなかった。民生部の文書によると、収用する土地はエリコ近くの西岸東部にあるヨルダン渓谷に位置する。
ピースナウは声明で、今回の収用宣言によりパレスチナとの「2国家共存案」の実現は一層困難になると批判した。
イスラエルは今年、西岸での土地接収を既に複数回宣言しており、その対象面積は年間単位としては今年が群を抜いて最大規模になっている。
占領地の支配権を主張するため土地を国有化するのはイスラエルの主要な手段の一つとも指摘。国有地としていったん指定すればパレスチナ人の私有地と認めることはもはやない
とした。
ピースナウはまた、イスラエル政府の高等計画評議会が1日、西岸の数十カ所の入植地で数千戸規模の新たな住宅建設を許可する方向だとも報告した。同評議会は西岸での新たな住宅建設を承認する権限を持つ。