ハンガリー首相が訪ロしプーチン氏と会談、ウクライナとEU反発
(CNN) 欧州連合(EU)理事会の議長国に輪番制で就任したばかりのハンガリーのオルバン首相がロシアを最近訪問してプーチン大統領と会談し、EU指導者が強く反発する事態となっている。
EU加盟国の首脳らがロシアに入ったのは2022年4月以降、オルバン氏が初めて。同氏とプーチン氏は会談後、ウクライナでの戦闘を終結させる方途を協議したと記者団に説明。プーチン氏は、政治的かつ外交的な解決にはロシアが既に打ち出した条件が土台になると改めて強調した。
これらの条件にはウクライナや西側の協調国が反発し、ウクライナは全ての和平交渉には同国が2014年以前に有していた領土の返還問題が含まなければいけないとの立場を明確にしている。
オルバン氏は長年、欧州ではプーチン氏に最も近い指導者として知られてきた。ウクライナへの軍事支援に反対する一方で、停戦を実現させる動きも見せている。
EUの行政を担う欧州委員会のフォンデアライエン委員長はオルバン氏の5日の訪ロを非難し、「宥和(ゆうわ)姿勢ではプーチン(氏)を止められない」と主張。「団結と決意のみが包括的かつ公正、永続的な平和をウクライナにもたらす道につながる」と続けた。
ウクライナ外務省も即座に反応し、オルバン氏のロシア訪問でウクライナ側との事前調整などはなかったと説明。その上で、「ウクライナ抜きでウクライナに関する合意をしない」との原則をすべての国が順守するよう訴えた。
オルバン氏は訪ロ前の2日にウクライナでゼレンスキー大統領と会談してもいた。オルバン氏がウクライナを訪れたのはロシア侵略が始まった22年2月以降で初めてだった。会談でロシアとの和平交渉の迅速な進展を図るため停戦をゼレンスキー氏に促したが、強く拒まれたという。