中国農村部の職業学校生、数学コンテストでの活躍が話題に 不正疑惑も
しかし先月末以降、ネット上で姜さんの実力を疑問視する声が上がった。
2回戦の翌日、1回戦で190位だったハーバード経営大学院の学生が中国のQ&Aサイト「知乎(ズーフー)」に投稿。ほかの出場者38人と共同で主催者に対し、姜さんと王さんの予選での答案を調べるよう求める書簡を出したと発表した。書簡は、2人が結託してカンニングをした証拠があると主張している。
ネット上では2回戦の前から、姜さんの成績に疑問を投げ掛けるうわさが広がっていた。姜さんはコンテストの予選後に受けた校内の数学テストで150点中83点しか取れなかったと指摘され、地元当局も先月27日にこれを確認した。当局は翌日、「調査が進められている」ともコメントしたが、まもなく姜さんをめぐるネット上の投稿はすべて削除された。
この騒動の背景には、中国社会に根付いた職業学校への偏見がある。1980~90年代には人気の高い進路だったが、現在は成績が振るわず進学校に入れない「怠け者」のコースとされ、卒業生は工場勤務で人生を終えるというイメージが強い。
王さんは新華社通信とのインタビューで、姜さんの将来について、たとえ数学の才能があっても今から進路を変えることは不可能で、難関大学に出願することはできないと語った。
中国の現在の教育制度下では、姜さんの才能が埋もれてしまう可能性もあると、専門家は指摘している。