求人応募の女性に妊娠検査 中国・南通の16社を摘発
香港(CNN) 求人に応募した女性に妊娠しているかどうかの検査を受けさせていたとして、中国江蘇省南通の企業16社が摘発された。
15日付の国営紙、検察日報が伝えたところによると、16社に応募した計168人の女性に対し、採用前の身体検査の一環として違法な妊娠検査が行われた。
国が出生率の引き上げに苦慮する一方で、企業は妊婦を雇いたがらないという中国社会の矛盾が浮き彫りになっている。
これまでも、妊娠する可能性のある年代の女性たちが、採用面接で家族計画について聞かれたり、子どもを持つ予定がなくても役職に就かせてもらえなかったりする例が報告されてきた。
中国の法律では、妊娠検査も妊婦への差別も禁止されている。
南通のケースでは、公共訴訟を扱うオンライン団体から当局に情報提供があった。検察がこの団体と協力して捜査に乗り出し、市内の主な公立病院2カ所と検査センターに出向いた。妊娠が判明した女性少なくとも1人は、不採用になっていたという。
具体的な企業名や、罰金を科された企業があったかどうかは不明。中国の法律では、性別による差別が発覚した企業に対し、最大で5万元(約108万円)の罰金が科される。
中国のシンクタンク、育娲人口研究が最近出した報告書によると、中国は子育てのコストが世界で最も高い国のひとつ。子ども1人を18歳まで育てるのにかかる費用は、1人当たりの国内総生産(GDP)の6.3倍に上る。
報告書によれば、特に女性への負担は大きく、育児休暇を取ることで別のチームへの異動や減給、昇進見送りなど、不公平な扱いを受ける可能性があるという。