米紙記者のスパイ容疑巡る裁判、禁錮16年の判決 ロシア

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ロシアでスパイ行為の罪に問われた米国人記者に禁錮16年の判決が言い渡された/Natalia Kolesnikova/AFP/Getty Images via CNN Newsource

ロシアでスパイ行為の罪に問われた米国人記者に禁錮16年の判決が言い渡された/Natalia Kolesnikova/AFP/Getty Images via CNN Newsource

(CNN) ロシア・エカテリンブルクの裁判所は19日、取材旅行中に国家機密を入手しようとした疑いでロシア連邦保安局(FSB)に逮捕され、収監されている米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシュコビッチ記者(32)に対し、禁錮16年の判決を言い渡した。

米政府やWSJ、同記者の支援者らは裁判自体を茶番と非難している。

ゲルシュコビッチ氏は同日午前、非公開の状況で最終弁論を行った。先月26日の公判開始からわずか数週間で結審を迎えた。

裁判の迅速さから、クレムリン(ロシア政府)にはゲルシュコビッチ氏を米国との囚人交換の一部として利用する意図があるのではないかという疑問が浮上している。この点について、19日の判決前に記者会見に臨んだクレムリンのペスコフ報道官はコメントを控えた。

ゲルシュコビッチ氏は昨年3月、WSJの取材で訪れたエカテリンブルクで逮捕され、その後米中央情報局(CIA)のためのスパイ活動をしていたとする罪に問われた。ロシア当局はこれまで、この主張を裏付ける公的な証拠を一切提示していない。

逮捕から2週間以内に米国務省は、同氏が不当に拘束されていると認定し、即時の釈放を求めた。

WSJは量刑言い渡し後に声明を出し、有罪判決は茶番で恥ずべきものだと非難。引き続き可能な限りの手を尽くしてゲルシュコビッチ氏の釈放に向け圧力をかけるとともに、家族の支援も継続すると述べた。

19日の国連安保理でも、米国のトーマスグリーンフィールド国連大使が裁判に言及し、ゲルシュコビッチ氏はいかなる罪も犯していないにもかかわらず米国人ジャーナリストであることのみを理由に禁錮刑を受けたと指摘した。

判決を言い渡す際、裁判官は弁護側が15日以内に控訴できると述べた。またゲルシュコビッチ氏に対しては、裁判手続きにかかった6708ルーブル(約12万円)の支払いとスマートフォン、ノート型端末といった所持品を破壊するよう命じた。

裁判官によれば、ゲルシュコビッチ氏が昨年3月以降収監されていた期間は今回の禁錮刑の刑期に反映される見通し。

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