ロシア企業「カスペルスキー」が米事業終了へ、製品販売禁止で

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カスペルスキーが米国での事業を段階的に停止する/Albert Gea/Reuters/File

カスペルスキーが米国での事業を段階的に停止する/Albert Gea/Reuters/File

(CNN) ロシアのサイバーセキュリティー企業「カスペルスキー」は18日までに、米国内での事業を段階的に縮小し、米国内を拠点にする従業員はレイオフ(一時解雇)する方針を明らかにした。

米商務省が先月、同社のソフトウェア製品の米国内での販売や供給を禁止した措置を受けた。事業の中止は今月20日から開始する。

約20年前に米国へ進出した同社は声明で、商務省の措置などを受け事業の機会がもはや得られないとの認識に至ったとした。

米政府当局者は、ロシア政府がカスペルスキー社のウイルス検出や除去のソフトウェアを用いてハッキングやデータ収集を図り、米国を監視する恐れがあると主張。同社はこれを強く否定してもいた。

同社によると、自社のソフトウェア製品を使用している企業は世界規模で約24万社、人数にして4億人以上に達する。米国内で導入している企業数や人数は不明。

米政府機関では既に同社のソフトウェア使用が禁じられている。米国内での同社製品の販売禁止は前例がない措置ともなっていた。

商務省の販売禁止の法的根拠はバイデン大統領が2021年に出した米国民の個人情報を「外国の敵対勢力から守る」ことを狙った大統領令に一部基づく。トランプ前大統領が19年に出した関連の大統領令にも一部絡んでいる。

カスペルスキーは1997年にモスクワで創業し、ウイルス対策ソフトウェア企業としては米国の競合相手と並ぶ世界の最有力企業に成長した。同社の研究者らの能力はサイバーセキュリティー分野では最上位級と評価されていた。ロシアや米国、イスラエルを含む政府の関与が疑われるハッキング行為や一般的なコンピューター利用者を食い物にするサイバー犯罪の脅威などの分析で知られていた。

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