バングラデシュ首相、インドに脱出 デモ隊から歓声
ダッカ(CNN) バングラデシュの反政府デモで辞任に追い込まれたハシナ首相が、隣国インドに脱出した。
外務省高官が6日、CNNとのインタビューで、ハシナ氏はインドの首都ニューデリーに近い「より安全な」場所にいると語った。
デモ現場ではハシナ政権の崩壊に歓喜の声が上がり、参加者らが戦車によじ登ったり、ハシナ氏の父で「建国の父」とも呼ばれたムジブル・ラーマン初代大統領の像を襲ったりする場面がみられた。
ザマン陸軍参謀長は国民向けの演説でハシナ氏の辞任を確認し、「軍や警察はだれに対しても発砲しない。私がそう指示した」と強調した。
デモ隊がハシナ氏の自宅に押し入り、壁を壊したり、家財を略奪したりした場面の画像もある。4日には警官とデモ隊の衝突で、警官13人を含む少なくとも91人が死亡した。
国営BSS通信によると、シャハブディン大統領は6日、収監中だったハシナ氏の政敵で野党指導者のジア元首相や、デモで拘束された学生活動家らを釈放すると発表した。
シャハブディン氏はまた、議会をただちに解散し、暫定政府を発足させて選挙を実施すると表明した。
デモを主導した学生団体は、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏が暫定政権を率いるよう求めている。
ユヌス氏は5日、CNNとのインタビューで、軍は主導権を文民政権に譲るべきだと主張した。
ハシナ氏の辞任を受けて、米国務省と国連のグテーレス事務総長はそれぞれ、平和的な政権移行を呼び掛ける声明を出した。