タイ議会、新首相にペートンタン氏選出 タクシン元首相の次女

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15日に記者会見に臨んだペートンタン・シナワット氏/Lillian Suwanrumpha/AFP/Getty Images

15日に記者会見に臨んだペートンタン・シナワット氏/Lillian Suwanrumpha/AFP/Getty Images

バンコク(CNN) タイの議会は16日、タクシン元首相の次女のペートンタン・シナワット氏(37)を次期首相に選出した。

現職の首相のセター氏は14日、憲法裁判所から解職命令を受けていた。

ペートンタン氏は、首相指名投票で過半数の319票を得た。自身が率いる与党「タイ貢献党」を中心とした連立政権で、セター氏の後任候補として立ったのはペートンタン氏だけだった。この後、ワチラロンコン国王の支持を受ける形で正式に首相に就任し、組閣を行う。

ペートンタン氏はタイ史上最年少の首相となる。女性首相はタクシン氏の妹のインラック氏に次いで2人目。

タイの憲法裁判所は14日、セター氏が前科のある弁護士を入閣させたのは違憲との判断を下し、同氏の首相解任を命令。国内の政治的混乱が一段と深まることが予想されていた。

先週には、昨年の総選挙で第1党となった革新系の「前進党」が憲法裁から解党を命じられた。同党を巡っては選挙戦で王室批判を禁じる不敬罪の改正を主張したことを選挙管理委員会が問題視。憲法裁に訴えていた。

憲法裁による上記二つの判断は、専門家から司法の行き過ぎとみられており、有意義な改革を進めようとする人々を牽制(けんせい)する動きとなっている。

チュラロンコン大学政治学部のティティナン・ポンスディラク教授は、「最近の裁判所による複数の判断を踏まえれば、タイは贔屓(ひいき)目に見ても半独裁国家と認識されるべきだ。国民の投票が実質的に意味をなさないのだから。保守的な既得権益層が選挙結果を拒否し、自分たちの好む結果になるよう操作する力を持っている」と述べた。

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