ニカラグア大統領、ベネズエラに「サンディニスタ戦闘員」派遣の申し出
(CNN) 南米ベネズエラで現職のニコラス・マドゥロ氏が勝利を宣言した大統領選挙をめぐり不正が指摘されている問題で、中米ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領は、もし「武装反革命」が起きればマドゥロ氏を支援するため「サンディニスタの戦闘員」をベネズエラに派遣すると申し出た。
マドゥロ氏の勝利宣言に対しては、不正を訴える声が野党からも国外からも噴出した。街頭では数千人が抗議運動を展開し、市民少なくとも24人と兵士1人が死亡。政府の治安部隊は少なくとも2000人を拘束した。
オルテガ大統領は26日に行われた中南米諸国のオンライン首脳会合の席上、ベネズエラで「武装反革命」が起きた場合はマドゥロ氏を支持すると表明。「もし戦闘になった場合、彼ら(マドゥロ政権)にはサンディニスタの戦闘員が付いている」と述べた。
マドゥロ大統領に対する抗議を行うデモ参加者と警察の衝突=7月29日、ベネズエラ・カラカス/Federico Parra/AFP/Getty Images/File
ニカラグアのサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)は、1970年代末のニカラグア革命で実権を握った左派の政治運動で、オルテガ大統領はFSLNに所属している。
オルテガ大統領はまた、ブラジルやコロンビアの大統領(いずれも左派)がマドゥロ氏の3期目勝利を承認していないことを非難した。現在5期目となるオルテガ大統領自身も、過去の選挙で不正があったとして非難されている。
ベネズエラのマドゥロ大統領=17日、ベネズエラ・カラカス/Alfredo Lasry R/Getty Images
政府系が支配するベネズエラの選管当局によると、大統領選はマドゥロ氏が50%を超す得票で勝利した。これに対して野党連合や国連の選挙監視団などが選管の数字に疑問を投げかけ、米国や欧州連合(EU)、国際機関も開票結果に関する詳しい数字を公表するようベネズエラに促している。