世界食糧計画、ガザでの職員の移動を停止 支援用車両への銃撃受け
(CNN) 国連世界食糧計画(WFP)が、パレスチナ自治区ガザ地区での職員の移動を停止している。所有する車両1台がイスラエルの検問所から数メートルの距離で複数の銃撃の標的になったことを受けた措置。WFPが28日、声明で明らかにした。
声明によれば、車両にはWFPのロゴが明示してあり、イスラエル当局からの通行許可も複数受けていた。にもかかわらず、イスラエル国防軍(IDF)の検問所に近づく際に直接銃弾を撃ち込まれたという。
装甲を施された当該車両は、ガザ地区一帯への人道支援物資供給を護衛する任務から戻った2台のうちの1台。WFPが公開した写真には、運転席側の窓に残る数多くの弾痕が写っている。WFPによると、少なくとも10発の弾丸が撃ち込まれたという。
乗車していた職員に身体的な被害はなかった。IDFは声明で、事件は調査中であると述べた。
WFPは戦禍のガザでの食料配給で主要な役割を果たしている。現地では数カ月にわたって飢餓が蔓延(まんえん)している。
しかしWFPによれば、現行の空爆やイスラエル軍による退避命令が繰り返される中で、WFPが運営する食料倉庫や調理施設はその多くが閉鎖を余儀なくされているという。CNNが分析したところ、IDFが設定するガザ内の「人道地域」は過去1カ月だけで38%縮小。現在残っているのはガザ全域の10分の1程度の面積に過ぎない。
人道支援に従事する職員は安全な移動のため通常はイスラエル軍と経路の調整を行っているが、WFPのシンディ・マケイン事務局長は声明の中で現在の仕組みは機能していないと指摘。今後の継続は不可能だとの見方を示した。
ガザでは今年4月にも、米食料支援NPO「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」の車列が移動中にイスラエル軍の攻撃を受け、職員7人が死亡した。移動経路についてはイスラエル当局と調整済みだったとされている。