国連、ガザへの物資搬入を一時停止 イスラエル軍の退避命令を受け
(CNN) 国連は26日、パレスチナ自治区ガザ地区への人道物資の搬入を一時的に停止した。国連高官によると、イスラエル軍が新たな退避命令を出したことを受け、安全上の懸念から停止を決めた。
イスラエル軍は25日、ガザ地区中部デイルアルバラの一部に対して退避命令を発表。多くの避難民が移動を強いられている。
国連は現在、ガザ地区でポリオの感染が拡大する恐れがあるとして、64万人以上の子どもを対象とするワクチン接種の準備を進めている。
ガザ地区への物資搬入を管理するイスラエルの機関、占領地政府活動調整官組織(COGAT)は26日、同地区南部との境界にあるケレムシャローム検問所にポリオワクチン120回分あまりが届いたと発表。接種は世界保健機関(WHO)と国連児童基金(ユニセフ)が主導し、イスラエル軍も協力すると述べた。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)とパレスチナ保健省は27日、接種開始に向けた準備を続けているとの声明を出した。
パレスチナ保健省はワクチン接種が2~3日中に始まるとの見通しを示し、10歳未満の子どもの95%に接種できるよう、40万回分の追加供給を目指していることを明らかにした。一方で、イスラエル軍の作戦がスタッフの移動に危険を及ぼしていると訴えた。
UNRWAの報道担当者は、国連がガザ地区から引き揚げることはないと強調しつつ、5月にガザ地区南部ラファへの退避命令を受け、本拠地をデイルアルバラへ移していたと説明。今回の退避命令でまた新たな場所を見つける必要に迫られていると語り、「次はどこへ行けばいいのか」と問い掛けた。