クリスマスは10月から、ベネズエラ大統領が宣言 デモ参加者は数千人逮捕
(CNN) 南米ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、10月からクリスマスが始まると宣言した。同国では政情不安が続く中、政府の弾圧によって数千人が逮捕されている。
マドゥロ大統領は2日のテレビ演説で「9月はクリスマスの香りがする」と述べ、「今年は皆さんに感謝して、10月1日にクリスマスの始まりを布告する。みんなにクリスマスがやって来た。平和と喜びと安心を!」と宣言した。
ベネズエラでは7月の大統領選挙でマドゥロ氏が3期目の勝利を宣言。これに対して国内外から批判が噴出した。
野党連合は選挙に不正があったと訴えて開票速報の結果をオンラインで公表。専門家によると、マドゥロ氏は実際には大差で敗北していた。
しかし全土に広がった抗議デモは弾圧され、約2400人が逮捕された。出国者も続出し、政府支持者による脅しのために外出できないと訴える人もいる。
マドゥロ大統領は、拘束したデモ参加者を収容するため刑務所2カ所の新設を命じ、デモ参加者全員を拘束すると公言した。
昨年もマドゥロ氏は11月1日のクリスマス開始を命じ、後にもっと早く始めるべきだったと述べていた。コロナ禍の2021年には経済活性化のためクリスマスを10月4日に開始すると布告した。
ベネズエラ聖公会は3日の声明で、クリスマスを政治や宣伝の目的で利用してはならないと述べ、「クリスマスは12月25日に始まる」と強調した。