レバノン、領土の4分の1が避難命令の対象に 死者1500人超
(CNN) 国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、イスラム教シーア派組織ヒズボラを狙ったイスラエル軍の攻撃が続くレバノンで人道危機が深刻化し、全土の4分の1が避難命令の対象になっている。レバノン当局によれば、先月からの死者は1500人を超えた。
OCHAは9日、レバノンでイスラエル軍の空爆が激化して範囲も広がり、重要な民間施設が標的になっていると報告。イスラエル軍の避難命令はレバノン南部の100以上の村や市街地に及び、住民らが移動を強いられていると述べた。
イスラエル軍は9日、首都ベイルート南郊のヒズボラ拠点、ダヒエ地区にある複数の建物をまもなく攻撃するとして、新たな避難命令を出した。
その後、10日朝までにレバノン南部とベイルート南郊でヒズボラの武器保管施設を攻撃し、イスラエル北部へのミサイル攻撃を指揮した司令官2人を「排除」したと発表。ヒズボラがベイルート中心部の集合住宅や学校、モスク(イスラム教礼拝所)、大学の地下に武器を隠し、住民らを危険にさらしていると非難した。
イスラエル軍はまた、レバノン南部で今月初めに地上侵攻を開始してから、1100回以上の空爆を実施したと発表した。
ベイルートのCNN取材班によると、空爆は予告なしで実施されることが多く、住民には夜中に避難命令の文字メッセージが送られるという。
レバノン保健省の発表によれば、イスラエル軍の攻撃が激化した先月からの死者は1500人以上、負傷者は8000人以上。当局によると、避難民は約120万人に達している。