レバノンの国連活動拠点に攻撃、要員2人負傷 イタリア首相がイスラエルに抗議
(CNN) 国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)は10日、レバノン南部ナクーラの本部の監視塔にイスラエル軍の戦車が砲撃を行い、平和維持活動にあたっている要員2人が負傷したと明らかにした。
UNIFILによると、本部に加え、周辺の拠点も繰り返しイスラエル軍の攻撃を受けているという。また、イスラエル兵らは別の拠点にも発砲し、UNIFILが損傷した車両や通信システムを置いている施設の入り口に命中したとしている。
イタリアのメローニ首相は同日、イタリアの要員が展開するレバノン南部のUNIFILの拠点をイスラエル軍が繰り返し攻撃しているとして、イスラエルの駐イタリア大使を呼び出し「容認できない」と抗議した。
イタリア首相府によると、イタリアの要員が駐留する拠点2カ所が攻撃されたことを受け、メローニ氏は現地の西部方面の指揮官から自国が派遣している要員の安全状況について報告を受けたという。同氏はイスラエルのガラント国防相にも抗議した。
欧州連合(EU)の外相にあたるボレル外交安全保障上級代表もイスラエル軍によるUNIFILへの攻撃を非難した。
UNIFILは国連安全保障理事会の決議により1978年に組織された。2000年にレバノンからイスラエル軍を完全撤退させるために、レバノン南部に境界線となる「ブルーライン」を120キロメートルにわたって設けた。
UNIFILの報道官は9日、イスラエル軍がレバノン南部で作戦を拡大するにつれ、ブルーラインの「近くのあちこちで」イスラエル軍の侵攻が続いているとCNNに明らかにした。