シリア南部の新反体制派組織、「目的地はダマスカス」 アサド政権は二正面戦闘か
(CNN) シリア南部で新たに結成された反体制派組織はCNNに寄せた声明で、目標は首都ダマスカスに到達することだと明らかにした。
声明を寄せたのは、南部の複数の反体制派を代表する新組織「南部作戦室」。政権軍に対して「アサド政権の犯罪集団」から離反し、反体制派に加わるよう求めた。
さらに「我々の目的地はダマスカスだ。我々の合流地点はウマイヤド広場になる」とした。
ヨルダン・シリア国境に沿って点在する政府の拠点を既に奪取したといい、「駐留していた政府軍が投降したことを受け、我々の部隊が国境地帯の安全を確保中だ」としている。
シリア南部で反体制派の運動が始まったのは2012年。ダルアーで地元活動家が「自由シリア軍」に属するグループを結成した時のことだ。戦闘員らはいったんダルアー市を制圧したものの、後に政権が奪還した。
南部の反体制派と政権軍の間ではかねて低強度の衝突が頻発していたが、情勢が大きく激化するのは久々となる。
これまで、政権軍が戦う前線は一つのみだった。反体制派の主要攻勢は北西部イドリブ県で始まったが、その後ダマスカスへ続く長い道路上でアサド政権軍を南へ追いやっている状況だ。
アサド政権はいま、北部の主要攻勢と南部で勢いづく新たな攻勢に挟まれ、二正面戦闘の可能性に直面している。