NATO、ウクライナ支援に不可欠なポーランドの防空体制を米から引き継ぎ トランプ氏就任控え

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ポーランドに配置されたパトリオットシステムの地対空ミサイル発射機=12月18日、ポーランド・ソハチェフ/Wojtek Radwanski/AFP/Getty Images

ポーランドに配置されたパトリオットシステムの地対空ミサイル発射機=12月18日、ポーランド・ソハチェフ/Wojtek Radwanski/AFP/Getty Images

(CNN) トランプ次期米大統領の就任式を目前に控え、北大西洋条約機構(NATO)は9日、米国からポーランドの防空体制を引き継いだ。NATOの報道官が明らかにした。加盟国内ではNATOおよびウクライナに対するトランプ次期政権の関与に疑問が呈されている。

報道官は、NATOが米国から指揮統制権を引き継ぎ、ロシアに対抗するウクライナへの援助を継続するためポーランドの兵たん拠点の保護を支援すると述べた。この動きは、ウクライナ支援の負担を米国から欧州諸国に移すために数カ月前から準備が進められている広範な取り組みの一環。

NATO加盟国は、今後1年間で米国の対ウクライナ支援が縮小するとみている。トランプ氏はウクライナ支援の価値とNATOへの米国の関与に疑問を呈している。戦争を終わらせたいとの考えは示しているものの、政権がウクライナへの軍事支援を継続するかどうかについては言及していない。

政権移行を前に、米国はウクライナ支援を米国主導からNATO主導の仕組みに移行させようとしている。これには「トランプ対策」の意味合いもある。

バイデン政権は戦場でも交渉の場でもウクライナを可能な限り強い立場に置こうとしている。米国は9日、ウクライナへの5億ドル(約790億円)の軍事支援パッケージを発表した。これは、退任する現政権からの最後の支援になるとみられる。

過去1カ月にわたり、NATOは米国のウクライナ支援の取り組み「ウクライナ安全保障支援グループ(SAG-U)」から徐々に責任を引き継ぎ始めている。これはウクライナへの西側諸国の武器や装備の流入を扱うことを目的としている。現在NATOの指揮下にあるポーランドの防空部隊は、これらの武器の流通を可能にする兵たん拠点を守る上で重要な役割を担っている。

ウクライナ支援におけるもう一つの重要な要素は、米国主導の「ウクライナ防衛連絡グループ(UDCG)」だ。この会合にはウクライナを武器や装備面で支援する約50カ国が参加している。

オースティン米国防長官は9日、ドイツのラムシュタイン空軍基地で行われたバイデン政権最後のUDCG会合を主導。他の国々に同グループの存続を呼び掛けた。トランプ政権が引き続き議長を務めるのか、欧州の国が引き継ぐかは明らかになっていない。

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