廃坑に取り残された違法採掘者、救出作業始まる 南ア
(CNN) 南アフリカ北西州にある金鉱山の廃坑で、違法な採掘者数百人が水や食料の供給を断たれたまま地下で身動きできなくなっている状況をめぐり、南アフリカ政府が救出作業に着手した。採掘者を代表する団体によれば、廃坑で少なくとも109人が死亡した。
採掘の影響を受ける人々の保護などのために設立された非政府組織「MACUA」はCNNの取材に対し、廃坑には100人の遺体が取り残されていると明らかにした。13日には9人の遺体が立て坑から収容された。生存者も20人いたという。
MACUAの代表は14日、これらの人々は飢えと脱水症状によって死亡した可能性があると述べた。
廃坑に取り残されている人の数についてはさまざまな報道がある。MACUAの代表によれば、推計500人が依然として地下にいる。数キロの深さがある立て坑の状況は悪化し続けているという。
CNNに共有された動画にはビニールに包まれた複数の遺体が映っている。採掘者のひとりが先週撮影したという動画は、シャツを着ていない、骨が浮き出たやせ細った男性を捉えている。動画には救出を求める男性や、「このような状況で何日暮らさなければならないのか」と話す別の男性が映っている。
CNNはこうした動画について独自に信憑(しんぴょうせい)性を確認できていない。
警察は昨年11月、違法な鉱山労働者を強制退去させて廃坑を閉鎖しようと食料や必需品の供給を遮断した。その後は、MACUAなどの地元の組織が何カ月にもわたり、取り残された採掘者を支援するための取り組みを主導してきた。
警察は食料などの供給を止めたことについて、違法な採掘業者の取り締まりと説明しているが、地元のグループや労働組合からは「懲罰的」であり、「悲劇で終わり」可能性があると批判の声が出ている。