中国で相次いだ無差別殺傷事件、男2人の死刑執行
香港(CNN) 中国南部の広東省珠海市で昨年11月、人混みに車が突っ込んで35人が死亡した事件で、死刑判決を言い渡された男の死刑が執行された。中国国営メディアが20日に伝えた。
死刑を執行されたのは樊維秋死刑囚(62)。珠海市の裁判所が3週間ほど前に死刑判決を言い渡していた。
中国ではこのところ、子どもを含む市民が無差別に殺傷される突発的な事件が相次いでいる。
こうした事件の再発を防ごうと、当局は防犯対策を強化するとともに、犯罪者を即刻、厳罰に処することを求めている。
20日には、東部の江蘇省無錫市にある専門学校のキャンパスで昨年11月、8人を刃物で刺して殺害した罪に問われた男の死刑も執行された。
警察の調べによると、死刑を執行された徐加金死刑囚(21)は同校を卒業したばかりで、試験に不合格となって卒業証明書がもらえず、インターンシップの報酬にも不満を持っていたとされる。
無錫市の刃物殺傷事件が起きたのは、中国全土に衝撃を与えた珠海市の事件のわずか数日後だった。
判決によると、樊死刑囚は結婚に失敗し、離婚協議が不公正だったとして激情に駆られ、スポーツ施設前で運動していた人たちに車で突っ込んで数十人をはねた。
中国でこれほどの死者が出た事件は2014年以来。中国の習近平(シーチンピン)国家主席は「極めて凶悪」と形容し、厳罰に処すよう求めていた。
2人の死刑執行のニュースは中国のSNSでトップトレンドに浮上。「大満足」といったコメントが次々に書き込まれている。