エジプト、パレスチナ人の強制移住を拒否 トランプ氏が移住計画示唆で
(CNN) トランプ米大統領が100万人あまりのパレスチナ人をパレスチナ自治区ガザ地区から隣国のヨルダンやエジプトに移住させる計画を示唆したことを受け、エジプトの外務省は26日、パレスチナ人の強制移住を拒否すると明らかにした。
トランプ氏は25日、ヨルダンのアブドラ国王とガザを「一掃」する計画について話し合いを持ったと述べ、エジプトのシーシ大統領との会談でもこの計画について取り上げる考えを明らかにしていた。
エジプト外務省は声明で、トランプ氏に直接言及することはなかったものの、強制的な立ち退きによるパレスチナ人の移住に反対する従来の立場を繰り返した。「そのような行動は安定を脅かし、中東地域の紛争をさらに拡大する危険があり、平和と共存の機会を損なうことになる」
エジプト外務省はまた、国際社会に対し、イスラエルとパレスチナによる「2国家解決」の実現を支援するよう呼び掛けた。
イスラエルとイスラム組織との間の戦闘が1年3カ月にわたり続く中、数万人が死亡し、ガザの大部分はがれきと化した。国連によれば、イスラエル軍の空爆によって、ガザでは学校や病院なども含む約60%の建物が損壊したり破壊されたりしているほか、家屋の約92%にも被害が出ている。
トランプ氏の今回の発言は、数十年にわたり維持してきた2国家解決の支持という米国の外交政策からの決別を示唆しているようにみえる。