独首相最有力候補メルツ氏が対移民厳格化を確認、極右との協力は否定 CNNインタビュー
ベルリン(CNN) ドイツで23日に実施される総選挙を前に、次期首相の最有力候補と目される最大野党会派「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」のメルツ党首が、CNNとのインタビューで対移民政策を厳格化する方針を改めて表明した。
メルツ氏はインタビューで、首相に選ばれたら「国境を管理し、法的な書類のない移民を送還する」と述べた。
CDU・CSUは、世論調査での支持率30%で首位に立っている。
ドイツでは最近、移民による犯罪が続発し、移民対策が選挙戦の焦点となってきた。メルツ氏は先週、流入を厳しく抑制する法案2件を議会に提出。このうち強制力のない1件は小差で可決されたが、強制力のある「流入制限法案」は否決された。
反対票を投じた議員の中には同党内部のメンバーもいたが、メルツ氏はCNNに、法案が否決されたのはショルツ首相率いる社会民主党(SPD)が反対したためだと主張。SPDは2018年にこの法案に同意していたはずだと指摘し、「選挙が終わった後で同意するつもりだろう」と述べた。
一方で、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は両法案に賛成した。これに対し、CDU・CSUが「極右勢力との協力」という長年のタブーを破ったとして、抗議の声が上がった。
メルツ氏は先週、AfDが法案に賛成するのは構わないと言明していたが、CNNとのインタビューでは同党との協力を明確に否定した。
米実業家イーロン・マスク氏がAfDを支持する立場からドイツの選挙戦に介入し、議論を呼んでいることについては「私は歓迎しないが、本人の自由だ」と語った。