イラン、ミサイル製造をすでに再開か 中国の化合物運ぶ船が到着

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イラン沖の船舶を捉えた衛星画像。過塩素酸ナトリウムを積んでいるとみられる/Maxar Technologies

イラン沖の船舶を捉えた衛星画像。過塩素酸ナトリウムを積んでいるとみられる/Maxar Technologies

(CNN) 中国製化合物1000トンを積んだ船舶2隻のうち最初の1隻が13日、イランのバンダルアッバス港沖に停泊したことが分かった。船舶追跡データによって明らかになった。この化合物はイランの軍事ミサイル計画の燃料の主要成分である可能性がある。この動きは、イランの主要なミサイル製造施設が昨年のイスラエルの攻撃によって破壊されたものの通常稼働に戻ったことの兆候とみられる。

欧州の2人の情報筋によると、この船は、イランの通常型中距離ミサイルの動力源となる固体燃料を生産する際の主原料である過塩素酸ナトリウム1000トンの大半を積んで、先月21日に中国江蘇省太倉の港を出港した。

イスラム革命記念日の集会で国産ミサイルの横を行進する人々=イラン・テヘラン
/Vahid Salemi/AP
イスラム革命記念日の集会で国産ミサイルの横を行進する人々=イラン・テヘラン /Vahid Salemi/AP

情報筋によると、過塩素酸ナトリウムは、イランの「ヘイバル・シェカン」ミサイル用の固体ロケットエンジン約260基、または「ハジ・カセム」弾道ミサイル200基分の燃料生産をまかなえる可能性がある。

この輸送は、シリアのアサド前大統領の失脚やレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの敗北など、地域のパートナーが相次ぎ混乱に見舞われる中で行われた。昨年10月にイスラエルがイランのミサイル製造施設を攻撃したことを受け、一部の西側の専門家は、イランが固体燃料の生産を再開するには少なくとも1年はかかるとみていた。今回の輸送は、イランがミサイル製造を再開するまでそう遠くない、あるいはすでに再開している可能性を示すものだ。

イランが弾道ミサイルを発射しイスラエルが迎撃した=2024年10月1日/Amir Cohen/Reuters
イランが弾道ミサイルを発射しイスラエルが迎撃した=2024年10月1日/Amir Cohen/Reuters

2隻目の船はまだ積載されておらず、中国を出発していない。両船ともイランの国営海運会社IRISLが運航しているという。

情報筋は、中国政府が先月のメディアの報道よりも前に輸送について把握していたかどうかは明らかにできなかった。過塩素酸ナトリウムの輸送自体は違法ではなく、西側諸国の制裁に違反するものでもない。

イランの合同演習中のミサイル=2021年、イラン南西部/Saeed Sajjadi/Fars News/WANA/Reuters
イランの合同演習中のミサイル=2021年、イラン南西部/Saeed Sajjadi/Fars News/WANA/Reuters

中国外務省の毛寧報道官は先月、記者団に対し、本件の詳細は認識していないが、中国は常に輸出管理法と国際的義務を順守していると述べた。

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