米要請で逮捕のイラン人実業家、イタリアが釈放 米兵死亡のドローン攻撃めぐり
(CNN) ヨルダンの米軍基地がドローン(無人機)で攻撃されて米兵3人が死亡した事件に関係して、米国の要請を受けてイタリアで逮捕されたイラン人実業家が12日に釈放された。
釈放されたのはイラン人実業家のモハンマド・アベディニ氏(38)。昨年12月に米兵十数人を死傷させたドローン攻撃に関与したとして、米国の逮捕状に基づき同月、イタリアのミラノで逮捕された。
米司法省は、アベディニ氏がマフド・モハンマド・サデギ容疑者(42)と共謀して、ドローン技術を米国からイランへ輸出したとして訴追している。
しかしイタリアのカルロ・ノルディオ法相は12日、アベディニ氏の身柄を米国に引き渡すことはできないとして、ミラノの控訴裁判所に逮捕の撤回を請求した。身柄の引き渡しは「両国の法に基づき罰することのできる犯罪のみ」が対象になると指摘している。
アベディニ氏の弁護士はCNNに対し、同氏が無条件で釈放されたことを確認した。
イランの司法当局と提携する報道機関ミザンはアベディニ氏の逮捕について、イランの各省庁が解決済みの「誤解」によるものだったと伝えている。
イラン外務省は、アベディニ氏が12日に釈放されて帰宅したことを確認した。
アベディニ氏が逮捕されたのは昨年12月16日。その3日前にはイタリアの日刊紙記者セシリア・サラ氏が取材のため訪れたイランの首都テヘランで、「イランのイスラム共和国法違反」を理由に拘束されていた。
サラ氏は1月に入って釈放され、自宅に戻った。このためサラ氏はアベディニ氏釈放の交換条件として利用されたのではないかとの見方が浮上している。