「米国は世界の秩序を破壊」 ウクライナ軍前総司令官が批判

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ウクライナ軍前総司令官で現在は駐英国大使を務めるバレリー・ザルジニー氏/Kin Cheung/AP

ウクライナ軍前総司令官で現在は駐英国大使を務めるバレリー・ザルジニー氏/Kin Cheung/AP

(CNN) ウクライナ軍の前総司令官で現在駐英国大使を務めているバレリー・ザルジニー氏は6日、米国は「世界の秩序を破壊している」と批判し、米国がロシアに歩み寄ろうとしていると警告を発した。

ザルジニー氏は 英シンクタンクの王立国際問題研究所(チャタムハウス)のイベントに出席し、「『悪の枢軸』やロシアだけではなく、米国も世界の秩序を破壊している」と述べた。

ザルジニー氏はまた、トランプ米大統領がロシアとの対話を再開し、ウクライナや欧州を蚊帳の外に置くなど、米政府は西側諸国の結束を「疑問視」していると指摘。北大西洋条約機構(NATO)が近い将来存在しなくなる可能性や、欧州がロシアの次の標的になる恐れがあるとの考えも示した。

ザルジニー氏の発言は、ウクライナと米国の首脳会談が先月末に決裂し、その後、ウクライナが関係の修復を図ろうとしている中でのものだ。首脳会談の決裂を受けて米国はウクライナへの軍事支援と機密情報の共有を停止した。

米国の政策が大きく変わったことを受けて、ロシアの脅威に絶えずさらされている欧州では米国を頼ることができないとの懸念が高まり、域内の各国は防衛力の強化に奔走している。

ウクライナと米国の首脳会談が決裂した後、欧州各国はウクライナの支援を継続する姿勢を明確にしている。

ウクライナは米国側との緊張を和らげようとしており、ゼレンスキー大統領は会談の決裂について「遺憾」の意を表明し、和平交渉の用意があるとの声明を出した。

ザルジニー氏は軍の刷新の一環として昨年2月に総司令官を解任され、その後駐英大使に任命された。ウクライナの将来の大統領候補と目されている。

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