民間人を「人間の盾」に使った可能性、イスラエル軍が認める ガザでの軍事作戦で
(CNN) イスラエル軍は、兵士らがパレスチナ人の民間人を人間の盾としてガザでの作戦に使用した疑いについて捜査している。イスラエル国防軍(IDF)が11日夜、CNNに明らかにした。
同軍がそうした疑いを認めるのは初めて。 所属する兵士らが民間人に対し、軍事作戦への参加を強要したと信じるだけの「合理的な疑惑」が存在するという。
CNNは以前、イスラエル軍兵士がガザの民間人に対して罠(わな)が仕掛けられている恐れのある家屋やトンネルへの立ち入りを強要していると報じていた。兵士らに危害が及ぶのを避けるのが目的だ。
IDFは複数の事案について、軍警察の犯罪捜査部門が捜査を開始したと説明。立ち上げられた捜査の件数や、誰が捜査対象となっているのかについては確認しなかった。
その上で「捜査は現在も続いているため、現時点でその他の詳細は提示できない」と述べた。
昨年のCNNとのインタビューで、あるイスラエル軍兵士は、自身の部隊がパレスチナ人男性1人に強要する形である建物の中へ入らせたことがあると明かした。兵士らより先に入らせることから「何らかの罠が仕掛けられていたとしても、爆発するのは彼らで自分たちではない」と、この兵士は語った。
こうした行為はイスラエル軍の間で広く浸透していたとされる。
20歳の民間人の男性はCNNの取材に答え、ガザ南部のラファでイスラエル軍の兵士に拘束されたと述べた。
その際、トンネルを探すためという理由でカーペットの移動や階段の下の撮影といった作業を頼まれたという。何か見つかった場合は、外へ運び出すよう指示された。家からの付属物の持ち出しや掃除、ソファの移動などを命じられた。冷蔵庫や戸棚を開けさせられもしたという。
昨年10月にこの事案が報じられた当時、IDFは軍の規定に言及。規定では「拘束したガザの民間人を軍事作戦に用いることを厳しく禁止している」と述べていた。