イスラエル、ガザへの電力供給を停止 人質解放へ向けて圧力
(CNN) イスラエルは10日までに、イスラエル電力公社(IEC)からまだ電力供給を受けていたパレスチナ自治区ガザ地区の最後の施設に対する電力供給を停止したと明らかにした。
イスラエルのコーヘン・エネルギー相は声明で、ガザへの電力供給を停止するよう指示したと明らかにした。同相は、イスラエルが人質全員の帰還を確実にするため、利用できるあらゆる手段を行使すると言い添えた。
イスラエルは、2023年10月に起きたイスラム組織ハマスによる奇襲を受けて、ガザへの電力供給を停止した。その後、IECは政府の指示に従い、廃水処理施設への電力供給を再開していた。
ハマスの報道官は、すでに電力供給が停止しているため、今回の電力供給停止による実質的な影響はほとんどないとの見方を示した。だが、同報道官は、電力供給停止について、イスラエル軍が飢餓政策を通じてガザに対するジェノサイド(集団殺害)の戦争を継続するという意図を裏付ける行為であり、国際法と国際規範を明らかに無視していると批判した。
イスラエルが奇襲攻撃を受けてハマスとの戦闘を開始して以降、ガザの住民は電力の多くを発電機や太陽光発電に頼ってきた。
極右政党党首のベングビール氏は電力供給停止の動きを歓迎したほか、イスラエル政府に対してさらなる行動を促し、ガザに入る燃料を標的にするよう呼び掛けた。
ガザ情勢をめぐっては、イスラエルとハマスとの間で、停戦と人質解放をめぐる協議がおぼつかないながらも進められている。
イスラエルは先に、停戦合意の第1段階の期限を迎えたことを受けて、停戦合意の延長に関する新たな条件を受け入れるようハマスに圧力をかけるためにガザへの人道支援物資の搬入を全て停止すると発表していた。
イスラエルは、パレスチナ人の受刑者の解放とガザへの物資の搬入を増やすことと引き換えに、死者も含めた人質の交換を続ける停戦合意の第1段階の継続を求めている。
ハマスの代表団は7日、エジプト首都カイロを訪問して停戦合意について協議を行い、停戦合意を第2段階に進めることを求めた。