NATOの現行戦略でウクライナ勝利出来ず、ハンガリー首相
(CNN) ハンガリーのオルバン首相は30日までに、北大西洋条約機構(NATO)の現在の支援戦略ではウクライナはロシアを敗北に追い込むことが出来ないとの見方を示した。
同時にウクライナ情勢が欧州経済にもたらす悲惨な結末の到来も警告。ウクライナでの戦闘が続く場合、欧州連合(EU)が景気後退をどう回避し得るのかを明確にしていないとも主張した。
訪問先のオーストリア・ウィーンで記者団に語った。オルバン氏は「現在のNATOのやり方ではこの戦争に勝てない」と強調。「これまで見た限り、兵器や訓練でウクライナを支えるとのNATOの戦略が奏功しないことを示している」とも断じた。
戦略を変えなければ和平への道筋もみえないだろうとも指摘。ウクライナでの和平なしではEU全体が戦時体制に追いやられるだろうとも占った。
オルバン首相と共に記者団の取材に応じたオーストリアのネハンマー首相は、EUによるロシア産天然ガスの禁輸発動を警戒する姿勢を表明。「あり得ない」とも述べた。
「ハンガリー、オーストリアは共にロシアのガスに依存している。ドイツの産業界も同様だ」と説明。「仮に独経済が崩壊したら、オーストリア経済も滅びる」とし、「大量の失業が発生する」と述べた。
同首相はまた、EUの行政執行機関の欧州委員会は多くの発表事項を連発しているが、実行は非常に少ないとの不満も口にした。エネルギー危機への組織全体の対処に触れ、欧州委が打ち出したEU共通のガス購入方式が現実化される兆候もないと批判した。